「ホイップクリーム」と「生クリーム」って同じに見えますが、実はまったく違う種類なんです。見た目はよく似ていますが、原料や作り方、味わいや使う場面までも異なります。
この記事では、植物性と動物性クリームの基本的な違いから、それぞれの長所や短所、さらにどんな場面で使うとおいしく仕上がるのかまで、初心者の方にもわかりやすく丁寧にご紹介します。
「料理やお菓子づくりのときに、どちらを選べばいいの?」と迷った経験がある方にも安心して読んでいただけるように、クリームの特徴や選び方をやさしい言葉で解説します。
さらに、泡立て方や保存のコツなど、日常に役立つポイントも合わせてお伝えします。
普段何気なく使っているクリームですが、実は少しの違いで仕上がりや風味が大きく変わります。
この機会に、植物性と動物性それぞれの魅力をしっかり理解して、もっとおいしく、もっと楽しくお菓子づくりや料理を楽しみましょう。
生クリームの動物性と植物性の違いとは?

簡単にいうと、「動物性」は牛乳や生乳などから作られる乳脂肪が主原料のクリームで、「植物性」はひまわり油や大豆油、ココナッツ油などの植物油脂を原料に作られています。
それぞれ原料が異なることで、味や香り、カロリー、使い勝手にもはっきりとした違いが生まれます。
動物性クリームはコクや風味が強く、リッチで濃厚な味わいが特徴です。
ケーキやムースなどのスイーツづくりに使うと、しっかりとしたコクとミルクの自然な甘みが感じられます。
特に乳製品本来の香りが引き立つため、プロのパティシエにも好まれています。また、泡立てるときめ細かく仕上がりやすく、滑らかな口当たりになる点も魅力です。
一方で植物性クリームは、動物性に比べてあっさりと軽い口当たりで、油っぽさを感じにくいのがポイントです。
価格も手ごろで、日持ちがしやすく保存にも便利なため、家庭でも使いやすいクリームといえます。
泡立てやすく、長時間形を保ちやすいことから、デコレーションやカフェドリンクなどにも向いています。
また、最近では植物性クリームの中にも改良が進み、味わいがより自然で風味豊かなタイプも登場しています。
乳製品アレルギーやヴィーガン志向の方に対応した商品も増えており、用途やライフスタイルに合わせて選べる幅が広がっています。
※「植物性クリーム」と表示されていても、乳由来成分が入っている商品もあります。ヴィーガン対応・乳アレルギー対応の場合は、「乳成分不使用」「ヴィーガン対応」などの表示を必ず確認しましょう。
価格面でも差があり、一般的に植物性のほうが比較的安価で、まとめ買いしやすい点も魅力です。
動物性はやや高価ですが、風味や品質を重視する方に選ばれています。
このように、どちらもメリットがあるので、作る料理やスイーツの目的に合わせて選ぶのがポイントです。
各種クリームの種類と特徴
動物性クリーム(純生クリーム)
牛乳の乳脂肪だけを原料としているので、コクがあり風味が豊かです。
ケーキやスイーツにぴったり!特に生クリーム本来の香りとまろやかさを生かしたいときにおすすめです。
泡立てるとふんわりとした質感になり、デコレーションにも最適です。
パッケージには「純生クリーム」と書いてあるものを選ぶと安心です。
乳脂肪分が高いほど濃厚さが増し、香りもリッチになります。
一方で保存期間は短めで、開封後は早めに使い切るのがポイントです。
生乳に安定剤を加えたクリーム
純生よりも扱いやすく、分離しにくいのが特徴です。
加熱しても分離しにくいため、料理やソース作りにも向いています。
一方で、風味はややマイルドな印象ですが、安定感のある泡立ちと使いやすさで人気があります。
クリーム初心者の方や毎日のお菓子づくりにぴったりです。
植物性クリーム(ホイップクリーム)
ひまわり油や大豆油を原料とした植物性クリームは、軽やかな口当たりと価格の安さが魅力です。
動物性に比べるとコクは控えめですが、あっさりとして食べやすく、カロリーもやや低め。
泡立ちが安定しやすいので、初心者でも失敗が少なく、コーヒーやデザートのトッピングにも便利です。
また、植物性クリームは保存期間が比較的長く、開封後も適切に冷蔵すれば数日保てるのも利点です。
乳製品アレルギーの方やヴィーガンの方にも利用されることがあり、用途の幅が広がっています。
風味の改良が進み、最近では動物性に近い味わいのものも多く見られます。
コンパウンドクリーム
動物性と植物性を組み合わせたタイプで、それぞれの長所をバランスよく取り入れています。
風味と価格のバランスが良く、泡立てやすさと保存性にも優れています。
プロの現場でも使用されることがあり、スイーツだけでなく料理にも幅広く活躍します。
お菓子作り初心者からベテランまで幅広く使える万能タイプといえるでしょう。
タイプ別の栄養価比較
| 種類 | カロリー | 脂質 | タンパク質 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 動物性 | 約430kcal | 45g | 2g | 濃厚で風味豊か。ミルク本来の甘みがあり、スイーツや料理に深みを与える。 |
| 植物性 | 約380kcal | 40g | 1g | 軽くさっぱり。ヘルシー志向の方やさっぱりした味が好きな方におすすめ。 |
| コンパウンド | 約400kcal | 42g | 1.5g | バランス型で扱いやすく、動物性と植物性の良さを両方取り入れた万能タイプ。 |
※いずれも「100mlあたりのおおよその目安」です。商品によって数値は変わるので、正確な値はパッケージの栄養成分表示を確認してください。
動物性クリームは脂肪分が多いため濃厚で満足感がありますが、摂り過ぎるとカロリーオーバーになりがちです。
植物性クリームは軽く仕上がる一方、風味が控えめなので、フルーツやチョコレートなど風味の強い材料と合わせるとちょうど良いバランスになります。
原材料によっては飽和脂肪酸が多いものもあるので、「ヘルシー=いくらでもOK」ではなく、どの種類でも“量はほどほど”を意識するのがおすすめです。
また、栄養面で見ると動物性にはカルシウムやビタミンAなどの栄養素が含まれており、植物性はコレステロールが少ないというメリットがあります。
どちらが優れているというよりも、使うシーンや目的に合わせて選ぶことが大切です。
ダイエット中の方は、使う量を控えめにして、植物性やコンパウンドを選ぶのもおすすめです。
さらに、調理の段階で甘さを控えめにしたり、フルーツなどの自然な甘みを活用することで、より健康的に楽しむことができます。
生クリームを上手に泡立てるコツ

- ボウルもクリームもよく冷やす。冷たさが保たれていると、脂肪分が安定してしっかりと泡立ちます。氷水にボウルを当てながら泡立てるとより効果的です。
- 7分立ては「やわらかいツノ」が立つくらいが目安で、口当たりが軽く口溶けも良い仕上がりになります。デコレーション用なら「しっかりツノ」が立つまで泡立て、形が崩れにくくなります。
- 泡立てすぎると分離してバター状になってしまうので、ツノの様子を見ながら少しずつ調整するのがコツです。泡立て器を持ち上げたときにツノが少し曲がるくらいがベスト。
- 分離した場合は、新しいクリームを少量加えて軽く混ぜるとリカバリーできます。また、泡立てすぎを防ぐために、ハンドミキサーを使う場合は低速モードで少しずつ様子を見ながら進めましょう。
- 甘みをつける場合は、泡立てがある程度進んだ段階で砂糖を加えると、よりなめらかで艶のある仕上がりになります。
泡立ての工程は地味に見えますが、温度とスピードを意識するだけで仕上がりが驚くほど変わります。
少しの工夫でプロのような仕上がりを目指せますよ。
保存方法と日持ちの違い
- 動物性は風味が落ちやすく、開封後は2?3日が目安です。保存時は乾燥や臭い移りを防ぐためにしっかりと密閉して冷蔵庫に入れましょう。
- 植物性はやや長持ちしますが、開封後は必ず冷蔵庫で保存してください。高温や直射日光を避けることで、風味をより長く保てます。
- 冷凍すると分離するため、長期保存したい場合は生クリームを泡立ててから冷凍するのがおすすめです。泡立てたクリームは小分けにして冷凍し、使うときは冷蔵庫でゆっくり解凍するとふんわりした食感が戻ります。
- 未開封での保存期間は製品によって異なりますが、賞味期限内であっても早めに使い切るのが安心です。
- また、残った生クリームはコーヒーやグラタン、シチューなどの料理に少量加えると、風味がぐっと引き立ちます。
用途別の選び方ガイド
迷ったときは「濃厚にしたいなら動物性」「軽く仕上げたいなら植物性」「失敗を減らしたい・コスパ重視ならコンパウンド」と覚えておくと便利です。
お菓子づくりや料理に使うクリームは、用途によって選び方を少し変えると、仕上がりの満足度がぐっと上がります。
以下の表では、代表的なシーン別におすすめの種類とその理由をまとめました。
| 用途 | おすすめ | ポイント |
| ケーキ・デザート | 動物性 | 濃厚な風味とコクがあり、ミルクの甘みが引き立ちます。スポンジケーキやショートケーキ、ムースなどに最適。泡立てやすく、リッチな味わいを演出できます。 |
| コーヒー・ドリンク | 植物性 | 軽くさっぱりした口当たりで、飲み物の風味を邪魔しません。ホットやアイスのラテ、カプチーノなどにトッピングしても溶けやすく、スッキリとした印象に。価格も手ごろで日常使いに向いています。 |
| パスタ・グラタン | コンパウンド | 風味と価格のバランスが良く、調理中の分離が起きにくいのが魅力。クリームソースやドリアなどの温かい料理に適しており、ほどよいコクと軽さを両立できます。 |
さらに、パンケーキやフルーツパフェ、コーヒーゼリーのような軽いデザートには植物性を、濃厚なチーズケーキやガトーショコラには動物性を使うと、よりおいしく仕上がります。
料理によっては、動物性と植物性を半分ずつブレンドすることで、風味と軽さのバランスを調整するのもおすすめです。
簡単レシピ:パンナコッタ
材料
- 動物性生クリーム 200ml
- グラニュー糖 30g
- 牛乳 200ml
- ゼラチン 5g
- バニラエッセンス 数滴(お好みで)
- お好きなソース(いちご・コーヒー・キャラメルなど)適量
作り方
- 牛乳とグラニュー糖を鍋に入れ、弱火でゆっくり温めます。沸騰しないように気をつけながら、砂糖が完全に溶けるまで混ぜましょう。
- 火を止めたら、ふやかしておいたゼラチンを加えてよく溶かします。ゼラチンが溶け残らないように、ゴムベラで優しく混ぜてください。
- 次に生クリームを加え、全体がなめらかになるようにしっかり混ぜ合わせます。お好みでバニラエッセンスを数滴加えると、香りがより豊かになります。
- 粗熱が取れたら、茶こしなどで一度こしてから型やグラスに流し入れます。こすことで口当たりがより滑らかになります。
- 冷蔵庫で3?4時間ほど冷やし固めましょう。しっかり冷えると、ぷるんとしたなめらかなパンナコッタが完成します。
- 盛り付けの際には、いちごソースやコーヒーソース、キャラメルソースなどを上からかけたり、フルーツやミントを添えると見た目も華やかです。
アレンジアイデア
- 抹茶風味パンナコッタ:生クリームを加える前に抹茶パウダーを少量溶かし入れると、上品な和風スイーツに。
- チョコパンナコッタ:刻んだチョコレートを溶かし入れるだけで濃厚デザートに変身します。
- ヘルシーアレンジ:グラニュー糖をきび砂糖やはちみつに変えると優しい甘さになります。
いちごソースやコーヒーソースなどでアレンジしてもおいしく楽しめます。
パンナコッタは冷やす時間以外の手間がほとんどなく、初心者でも失敗しにくいレシピです。
おもてなしスイーツや日々のご褒美デザートにもぴったりですよ。
よくある質問
Q. 植物性クリームは健康に悪いですか?
いいえ、適量であれば問題ありません。植物性クリームは主にひまわり油や大豆油などの植物油脂から作られていますが、製造方法や添加物によってはトランス脂肪酸を含むものもあります。
そのため、健康面を気にする方は購入前に原材料表示や栄養成分表を確認し、できるだけ「トランス脂肪酸ゼロ」や「植物性油脂使用」と記載のある商品を選ぶと安心です。
また、コレステロールを気にする方には植物性クリームが比較的おすすめですが、いずれも摂りすぎは控えるようにしましょう。
Q. 動物性クリームは太りやすいですか?
動物性クリームは乳脂肪が多く、確かにカロリーは高めですが、使う量を調整すれば問題ありません。
少量でもコクがしっかりあるため、使いすぎずとも満足感を得やすいという利点があります。
特に、砂糖を控えめにしたり、フルーツなどと一緒に使うことで、ヘルシーに楽しむことができます。
カロリーを気にする場合は、動物性を少し植物性とブレンドするのもおすすめです。
Q. 子どもに使っても大丈夫ですか?
問題ありませんが、脂肪分が多いため少量を目安に使うと良いでしょう。成長期の子どもにはカルシウムやエネルギー源として良い面もありますが、甘味を加えすぎないように注意が必要です。
また、アレルギーのあるお子さんの場合は乳由来の成分が含まれていない植物性タイプを選ぶなど、体質に合わせた工夫をしましょう。
Q. どんなクリームを常備すると便利ですか?
頻繁にお菓子を作らない方は、日持ちの良い植物性クリームやコンパウンドタイプを冷蔵庫に常備すると便利です。
料理やドリンクにも使え、必要な分だけ無駄なく使えるのが魅力です。開封後はなるべく早めに使い切りましょう。
まとめ|植物性と動物性の違いを知って使い分けよう
- 動物性はコクと風味が豊かで、濃厚な味わいが特徴。スイーツのコク出しやリッチな料理に最適です。
- 植物性は軽くて扱いやすく、泡立てが安定しているため初心者でも扱いやすい。デコレーションや軽いデザートにぴったり。
- コンパウンドはその中間で、風味・価格・保存性のバランスが良い万能タイプ。家庭でも業務用でも活躍します。
お菓子作りや料理の目的に合わせて、クリームを上手に使い分けましょう。
たとえば、濃厚な味を楽しみたい日には動物性を、さっぱりと軽く仕上げたいデザートには植物性を選ぶなど、目的に応じて工夫するとぐっとおいしく仕上がります。
さらに、泡立て方や保存方法、使う食材との組み合わせを意識することで、同じクリームでも驚くほど印象が変わります。
料理やスイーツを作るたびに、少しずつ違う種類を試してみるのも楽しいですね。
クリームを理解して上手に使い分ければ、あなたのキッチンがもっと楽しく、味わい深い時間になるでしょう。

